
大工の仕事は高い生産性の結晶だ
なぜなら、注意散漫では思わぬ事故や怪我を招いたり、納期に間に合わなかったりするからだ。
現代日本では、大工の成り手不足が問題になっており、せっかく大工になっても、どこかの段階でやめてしまう人が多い。
そのようななかで長年にわたり大工の仕事を続け、60歳ごろに至るまで仕事を辞めなかった人は、生産性の維持のために働き方が最適化されており、逆に生産性が最適化できなかった者は集中力不足による事故・怪我、疲労にともなう病気などで淘汰され、途中で離職している。
つまり、年配の大工さんは、高い生産性を何十年も維持してきた、労働における選りすぐりのスーパーエリートなんだ。
そこで、一般のデスクワークの人間でも、年配の大工さんの働き方から学ぶものは大いにあるはずである。
俺がこれまで大工さんの観察を続け、判明したことがいくつかある。
【生産性の高い大工さんの特徴】
- 朝が早い
8時で作業開始。
だがそれ以上に驚きなのは、通勤時間が片道1時間以上だったりすることを踏まえると、起床は恐らく6時とか。つまり朝全体が早い。朝型。
そして朝型であるということは、夜もまた消灯が早いということだ。
朝が早くとも、その分夜も早いことで、睡眠時間はたっぷりあるのだろう。
- よく働き、よく休み、よく食べる
10時と、15時で30分程度の休憩をとる。そこでお茶を飲んだりして水分摂取につとめ、間食をとって血糖値を高めている。
- 手作り弁当がある
昼食には栄養バランスの高い手作り弁当を持ち込んでいる。
唐揚げか焼肉等、タンパク質もしっかり入っている。大きめのお弁当。
この「持ち込み弁当」には二つの意味が恐らくあり、
1つは、栄養を摂取することができる。
2つめは、「お昼の楽しみ」、つまり報酬としての食事だ。つまり、楽しみがあることで気分が上がり、それが労働意欲につながる、という精神的な意味だ。
- 昼食後に30分程度の仮眠をとっている。
- 作業中(特に午後以降)、ラジオを聴きながら作業している。
これは一見して生産性にマイナスのようだが、ラジオがあることによって集中力が途切れやすい時間でもモチベーションを維持しやすいのだろう。集中力の求められる作業は主に午前中におこなわれ、午後の仕事では、高い注意力よりも、長時間作業を続けること自体が重要なんだろう。けっこう音質の良いラジオ。
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