生活態の与える影響

ズワイガニとタラバガニは外見上の際立った差異は無いが、生物学上の分類は全く違う。

ズワイガニはヤドカリ科であって、カニではないのだ。

生物は、たとえ本質的に別種であっても、同様の生活態によって、形態的にほぼ等しくなる。

これは人生にも同じことが言えるのではないかと思う。

ある能力を身につけたいと思ったら、その能力をもった人間の生活態を模倣すればよいのではないか。逆に、「こんな人間にはなりたくない」という相手がいたら、その人物と同じ生活態にならないよう注意しないといけない。

また別の話。

カラーテレビが普及する前は、人々の睡眠中の夢は白黒だったらしい。何故だろうか?カラーテレビが普及する以前も、現実の世界には色があるにも関わらず、なぜテレビの色に影響を受けるのか?

テレビというのは視聴者の報酬系を強く刺激する。つまり「楽しみ」「喜び」の出力装置だ。

そして就寝中の夢とは、その人間の無意識世界そのものだ。

このことから、現実世界における「楽しみ」「喜び」は、無意識に強く働きかけることができる可能性を秘めていると考える。

生活の中に楽しみを見出すことが、人生の他の面にも強力に有利に働く。逆に、何も趣味がないという生活は無意識にも深いダメージを与える。

ベンサムの快楽原則を思い出す。

人生は、「善い・立派・正しい」ということよりも「快」刺激を追求することが大切であるという(その快楽が上質か低俗かの違いがあるだけで、結局は快であることが重要)

楽しめる趣味を持つことは重要なことだ。

ただし、いかなる趣味も初めから楽しいわけではない。たとえテレビゲームでも、最初の10時間くらいは苦痛でしかない。それでも我慢して続けていると、ゲームが楽しくなってくる。

ゲーム脳などという用語もあるが、ゲームを本当に楽しんで遊べる人間は生活上の他の事にも意欲を示せるだろう。逆に、鬱病の人間はゲームを楽しむことはできない。

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